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【特許番号】  特許第3102686号(P3102686)
【発明の名称】  梅の種の炭素化物及び除湿剤,脱臭剤ならびにその製造法
 
【発明・考案の実施の形態】 -続き-
【0009】本発明にかかる梅の種の炭素化物を製造するために用いられる梅の
種はどの様なものも用いることができるが、塩漬けの梅干しから得られたもので
あるときは塩ぬきをすることが好ましい。通常梅干しは塩濃度でほぼ10%の状
態にあるので、塩分濃度を2%程度以下の低濃度にすることが好ましい。使用時
に塩分が出てきては不都合な用途において使用時に塩分が出てくるのを防止する
ためであり、また蒸し焼きに用いられる装置が腐食し易いような場合における装
置の劣化を防止するためである。
【0010】本発明において塩濃度を低くする方法として、種についた実を種か
ら十分にはずす。種にからんだ実を取り外す方法は、たとえば、次亜塩素酸もし
くはその水溶液に好ましくは約12時間漬け込み、次いで攪拌機で攪拌し、種と
実を分離する。種についた実をはずした後は、種を取り出し、水に4〜5時間つ
ける。塩濃度を低くするためにもちいる水は真水が好ましく、また、オゾン水を
使うことも好ましい。このようにして塩分を2%以下にすることが好ましい。
【0011】本発明において、塩濃度の測定は次のようにして行なう。測定の対
象である梅の種または梅の種の炭素化物を石臼等で、出来る限り微細にし、粉状
にする。この粉0.5gを精密に秤量し、精製水( 蒸留水)50ml に添加し、よく攪拌
してから、水酸化ナトリウム水溶液で滴定して酸度を測定し、硝酸銀水溶液で滴
定して塩度を測定する。硝酸銀水溶液で滴定して得た塩素イオンの値は、塩化ナ
トリウムの重量に換算し、この重量を精密に秤量した粉の重量で除して、パ−セ
ンテ−ジで表示し、塩濃度とする。
【0012】塩濃度2%以下の梅の種は半日ないし1日天日干しし、炭化する前
に十分乾燥しておく。乾燥した梅の種は蒸し焼き装置で蒸し焼きするが、備長炭
を製造するための装置が好ましく用いられる。蒸し焼きは、好ましくは1200
°C以上の温度で4乃至5日間行なわれる。
【0013】〜【0017】 省略
【実施例】
〔実施例1〕梅干しから果肉をとったあとの梅干しの種から付着している果肉を
取るため、梅干しの種の約2倍量の10%濃度の次亜塩素酸水溶液に約12時間
漬け込んだ。12時間後ポリプロピレン製の籠にとり、流水をかけながら人手で
攪拌し、種と果肉を分離し種を取り出した。この種の塩濃度は10.7%であった。
この種を約20倍量の真水に4時間つけて脱塩し、ついで水を切ったのち4時間
天日で干した。干したのち塩濃度は1.8 %であった。天日干したあとの梅干しの
種は、約12kgを蓋のできる斗缶にいれ、炭焼きの釜に入れ、約1200°Cで
4日と半日の間蒸し焼きにした。蒸し焼きの後、釜から斗缶を取り出し灰をかけ
て冷却した。冷却後斗缶の中に梅の種の炭素化物ができていることを確認した。
〔実施例2〕実施例1で得た梅の種の炭素化物5個を飲料水200mlに入れ、
2時間放置した。2時間後この梅の種の炭素化物処理した水は、カルキや有機物
の味もなくおいしく賞味できた。
〔実施例3〕実施例1で得た梅の種の炭素化物2kgを洗濯用のネットに入れ、浴
槽に入れ、湯を46°Cに加熱した。梅の種の炭素化物を浴槽に入れないと比べ
湯垢も少なく湯は綺麗に保たれた。
〔実施例4〕実施例1で得た梅の種の炭素化物500 gを皿二入れ、冷蔵庫に入れ
た。翌日冷蔵庫の中は冷蔵庫特有の臭気が消えていた。
【発明の効果】
本発明に係る梅の種の炭素化物は、梅の種を原料に用いていることから、その大
きさは最大径が、小さいものでほぼ1センチメ−トル、大きいものでほぼ2セン
チメ−トルであるから、極めて扱つかい易く、上記のような家庭用用途では、粉
砕して小さくする必要がないから、回りが汚れないし、使いやすく、商品化の工
程では、包装しやすく、加工工程中での輸送が非常に容易である。
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